習慣的運動には、心血管疾患や高血圧、糖尿病、高脂血症など様々な慢性疾患の治療及び予防効果があります。
また、肥満、インスリン抵抗性の改善効果も期待できます。運動は主に心肺適応能を高める有酸素運動だけではなく、
筋力や筋持久力を高める筋力トレーニング、筋骨格系の柔軟性を高めるストレッチ運動を上手に組み合わせることが重要です。

運動とは?

運動の種類

「運動」の種類は、大きく3つに分けられます。

1.有酸素運動

インスリン感受性向上、脂肪選択的燃焼、心肺機能維持・増強、ストレス発散
この強度の運動では、エネルギー代謝の過程で炭水化物とともに脂肪が多く使われるので、肥満の解消や生活習慣病予防に有効です。ウォーキングやゆっくりとしたジョギングが代表的なものす。

2.筋力トレーニング

筋肉量・筋持久力の向上、基礎代謝の向上、筋肉等貯蔵量の増加
ダンベル、チューブやトレーニングマシンなどを利用して筋肉に負荷をかけ、筋力や骨を強くする運動です。高齢者の転倒予防や生活活動能力の維持・向上,さらに代謝の改善には筋肉が重要な働きをするので、近年では中高年者の健康づくりに重視され、要介護予防プログラムにも取り入れられています。

3.ストレッチ

関節可動域・柔軟性の向上、筋神経血管系への刺激、疲労早期回復
筋肉の弾力性や関節の可動域を高める運動で、有酸素運動や筋力トレーニングのウォームアップやクーリングダウンに行われています。特に中高年の場合や久しぶりに運動に取り組む場合には、運動器障害の予防として欠かすことが出来ません。

運動強度と持続時間、頻度

運動強度(METs)

運動強度の最良の指標は酸素摂取量(VO2)です。
運動強度が増すと、酸素摂取量はそれに比例して増加します。運動中に体内に摂取した酸素の量を知れば、運動強度がわかります。この酸素量を、最大酸素摂取量の何%(%VO2max)で表すと、個々に対する相対的な運動強度となります。このため、個々を重視した運動処方の場面では、%Vo2maxで運動強度を設定するのが一般的です。例えは、安静時におけるAさんの酸素摂取量を1METsとして、Aさんの最大運動強度(最大酸素摂取量)は10METsとして表現されます。
 しかし、運動中に酸素摂取量を測定して相対的な運動強度を求めるということは、現実的ではありません。そのため、酸素摂取量に代わる運動強度の指標として、広く用いられているものが心拍数(%HRmax、Heart Rate Reserve:HRR(HRmax-安静時HR))と自覚的運動強度(BorgのRPE(Rate of Perceived Exertion)スケール)です。

持続時間

運動の目的や運動強度、運動頻度、身体条件などにより1回の運動に勧められる運動持続時間は異なります。健康維持、持久性向上、あるいは体重減量のために必要な運動継続時間は、「運動量=運動強度×運動時間」で決めます。運動持続時間は、最低10分は続ける運動の1日の総量が20~60分とされています。HRmaxの70~85%、あるいはHRRの60~80%の強度の運動を、20~30分続けることが多くの人たちにとって、持久性トレーニング、エネルギー消費目的には安全かつ効果的だとされます。

頻度

週1回のトレーニングでもわずかに体力は向上することが知られていますが、トレーニング頻度が多くなれば、その効果は大きくなります。しかし、一般人が毎日トレーニングすると、疲労を十分に回復させることができず、慢性疲労を引き起こす危険性があります。健康体力つくりを目的とする一般人には、1日おきに休息をおいた、1週間3回の頻度で運動することが勧められています。

健康康運動指導士(または健康運動実践指導者)

個々人の心身の状態に応じた、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成及び指導を行う者の資格

健康運動指導士とは、昭和63年から、運動で国民の健康づくりに寄与するために養成された運動指導者で、旧厚生省によって認定された資格です。

保健医療関係者と連携しつつ安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成及び実践指導計画の調整等を行う役割を担当する資格で、生涯を通じた国民の健康づくりに寄与する目的で創設され、生活習慣病を予防し、国民の健康水準を保持・増進する観点から養成されました。平成18年度からは、財団法人健康・体力づくり事業財団独自の事業として継続して実施しております。

今般の医療制度改革においては、生活習慣病予防が生涯を通じた個人の健康づくりだけでなく、中長期的な医療費適正化対策の柱の一つとして位置づけられており、今後展開される本格的な生活習慣病対策においては、一次予防に留まらず二次予防も含めた健康づくりのための運動を指導する専門家の必要性が増しており、とくに平成20年度から実施の特定健診・特定保健指導において運動・身体活動支援を担うことについて、健康運動指導士への期待がますます高まっていおり、さらにハイリスク者も対象にした安全で効果的な運動指導を行なうことのできる専門家として、質の高い人材が養成されています。