運動療法
運動の適応と禁忌
運動療法は、正しく行えば生活習慣病改善のための有効な治療法ですが、誤って行うと十分な効果が得られないだけでなく、病状を悪化させることや、膝や腰を痛めるなど、健康を害する恐れがあります。患者さんにとって運動は、やり方次第では、薬にも毒にもなり得る「諸刃の剣」の性格を持ちあわせているのです。
そのため、運動をして良いかどうかや運動の強度を決めるためには、メディカルチェックを行います。メディカルチェックによって、患者さんの病状や合併症、併発症などをしっかり把握し、運動に伴うリスクを避けるよう配慮をしたうえで、個々の患者さんに合った運動プログラムを積極的に指導することが大切です。
スポーツ参加が不適当な疾患・病態
1
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AMI発症早期および不安定狭心症 |
2
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急性または重症心不全状態にある場合(弁膜症・肺性心・心筋症・OMIなど) |
3
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安静時から重篤な不整脈を有する場合や運動により重篤な不整脈誘発が予測される場合 (多発性心室期外収縮・多源性心室期外収縮・連発型期外収縮・発作性上室性頻拍・発させ医心房細動・頻脈性心房細動・完全房室ブロックなど) |
4
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運動により重篤な血行動態的障害が予想される場合 (重症大動脈弁狭窄・肥大型閉塞性心筋症・拡張型心筋症など) |
5
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急性疾患および管理不十分な慢性活動性疾患を有する場合 (急性心筋炎・気管支炎・肝炎・腎炎・甲状腺疾患・糖尿病) |
6
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運動により重篤な血管病変の発生が予想される場合 (Marfan症候群、解離性大動脈瘤、脳動脈瘤、重症高血圧) |
7
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精神障害または運動器疾患によりスポーツが困難又は不適当と考えられる場合 (重症脳血管障害後遺症、腰・膝・足などの関節障害など) |
2017/02/22