「物理療法」は、身体に物理エネルギー(温熱、寒冷、電気刺激、光線、その他)を加えることで、生理的生化学的変化を起こし、血液循環の改善、筋の緊張や痛みを除去、軽減するものです。膝や肩などの関節痛や腰痛などの軽減や運動しやすくすることを目的とします。

物理療法解説記事

電気療法

電流(低周波)療法 Electrical Therapy
電流は、神経筋システムに作用し、筋肉を収縮させ、血流を増加させ、疼痛を抑制します。この作用を利用して、血流改善、筋萎縮の予防、拘縮や痙性の改善、随意運動能の回復、末梢神経や皮膚等の組織の修復などに使用されます。

効能効果:経皮的に疼痛及び筋萎縮改善に用いられる神経及び筋刺激を行う。
適応:脳血管障害や脳性麻痺、脊髄損傷などの痙性の軽減、廃用性筋萎縮の改善、関節可動域の拡大、筋力向上、随意運動能力の回復、骨折の治療促進、疼痛緩和等

禁忌:心臓疾患、植え込み型電子装置(ペースメーカーなど)使用者、悪性腫瘍、結核性疾患、急性疾患、極度の衰弱時、妊娠もしくは妊娠の可能性がある人、アトピーなどによる知覚・皮膚過敏症など


力学的治療法

牽引療法 Traction Therapy: 腰椎又は頚椎の疾患を介達牽引により治療します。
能動型自動間歇牽引装置 Traction Therapy Unit
腰椎又は頚椎を牽引することにより、椎間孔を拡大し、椎間関節を離開し、神経根の圧迫を除圧します。また、追完関節周囲の軟部組織を伸張し、マッサージ様効果により循環を改善し、筋のスパズムを緩和すると共に、椎間板及び椎間関節の軽度の変形・変異を矯正するとされています。

効能効果:変形性脊椎症等の腰部疾患、及び頚椎症の治療
適応:椎間板ヘルニア、椎間板変性疾患、椎間関節障害、脊椎症、頚肩腕症候群、項部から腰背部にかけての疼痛やこわばり、腰痛、坐骨神経痛

注意:脊椎の感染症、悪性腫瘍、急性の激しい痛みが伴う場合、骨粗鬆症、骨軟化症、脊髄圧迫症状がある場合、関節リウマチ


マッサージ療法 Massage Therapy

ウォーターベット型、ベット型マッサージ器 Massage Teraphy Unit
マッサージにより血液やリンパの循環を促進し、可動性や疼痛等の局所症状を改善します。
効能効果:マッサージ効果
適応:神経痛、筋肉痛、肩凝り、腰痛、疲労回復、血行促進


温熱療法Thermo Therapy

物理エネルギーを供給して組織を加温し、循環を改善し疼痛を緩和します。熱を伝導させる方式により、電動熱療法、放射(輻射)熱療法、エネルギー変換熱療法に分類することができます。
組織温度が上昇すると疼痛閾値が上昇し、血管が拡張して循環が改善し、炎症性物質や老廃物が排泄され、栄養が供給されます。このため、疼痛が緩和し局所状態が回復します。
同時に、ガンマ線維の活動が抑制され、痙性の筋緊張が低下し、筋スパズムが改善します。

伝導熱療法 
 ★温式ホット・パック装置 Hot Packs
 保温剤を内蔵したパックを60−80°Cで加温し、これを患部に当てて温熱治療を行います。
 効能効果:温熱効果
 適応:打撲や捻挫、脱臼、骨折、断端痛、関節リウマチ、変形性関節症、関節拘縮、関節周囲炎、変形性脊椎症、骨粗鬆症、腰痛症、筋肉痛、神経痛、神経炎、筋スパズム(肩凝り等)、浮腫、血行改善、疲労回復など

 ★パラフィン浴装置
 50°C程度に加温して融解させた液状パラフィンを患部に塗布し、その温熱で治療を行います。
 パラフィンは、熱伝導率が低いため、熱く感じにくく、保温効果も高いため、効果的な温熱治療が可能です。
 効能効果:温熱による疼痛、関節痛の緩和
 適応はホット・パックと同じ

 ★放射(輻射)熱療法 Radiation Heat
 赤外線治療器 Infrared Therapy Unit

ネルギー変換熱療法
 ★マイクロ波治療器 Microwave Therapy Unit
 ★超音波治療器 Ultrasound Therapy Unit


光線療法

局所照射型赤外線治療器
光線療法には、赤外線と紫外線、可視光線が使用されます。
赤外線療法は温熱作用と神経刺激作用を利用するものです。
生体侵達性の高い近赤外線をスポット状に集光し、エネルギー密度を高くして局所刺激を行います。光線刺激作用が強く、レーザー治療器と類似の作用効果を有します。このため、より深部まで、より効果的に温熱作用と光刺激作用を及ぼし、疼痛を緩和し、血流を改善し、創傷治癒を促進します。

レーザー療法 Laser Therapy
低出力のレーザーを用いて非熱的な光刺激治療を行います。低反応レベルレーザー療法とも称されます。神経刺激作用と血管拡張作用が確認されており、疼痛緩和や血流増加、創傷治癒促進に使用されています。
スーパーライザーは、光の中で最も生体深達性の高い波長帯の近赤外線(0.6μm~1.6μm)を高出力でスポット状に照射できる光線治療器です。

半導体レーザーのような単一波長ではなく、幅広い波長対を有する複合波長で有るため、深い患部まで確実に到達し、心地よい温感とともに複数の波長帯に係る生体効果が期待できます。 その効果はペインクリニックをはじめ各科で認められ、医療現場で幅広く利用されています。


水治療法

温浴療法 Warmbath Therapy
水の温熱、浮力、静水圧及び動水圧による力学的作用などを利用して治療を行うもので、温浴装置、気泡浴装置、渦流浴装置などがあります。